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第118話 悪女も、元妻も、役だった

Author: 花柳響
last update publish date: 2026-09-26 06:01:16
 土曜になっても、蕎麦屋の写真は下書きに残っていた。

 本を一冊買い、窓際のカフェで桃のゼリーを頼んだ。途中で面白い一文を見つけ、ページの端を写真に撮る。

 誰かへ送らなくても、面白さが減るわけではない。

 午後は机の端へタイマーを置き、仕事の資料を二時間だけ直した。タイマーが鳴ると、パソコンを閉じた。

 夕方、川沿いを歩いた。空がきれいだったので、もう一枚写真を撮った。

 古本の写真にはページ番号が写り、川の写真には自分の影が小さく入っていた。

 どちらの写真も、送信画面は開かなかった。

 一人の午後は長く、思っていたほど苦しくなかった。

 それでも帰宅して写真一覧を開くと、古本と川が一日の順番に並んでいた。どちらも景都が見たら何と言うかを考えて撮っている。

 想像できることが腹立たしく、少し嬉しかった。

 私は二枚を削除せず、画面を閉じた。

◇

 夜、買ってきたパンの袋を開けたところで、灯からメッセージが届いた。

『RE:PAIRから連絡。瀬名さんの追悼配信だって。未公開映像を使いたいらしい』

 続いて届いたPDFのファイル名は、『RE:PAIR Memor
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